強い勢力の台風10号が8月29~30日にかけ通過した九州地方は、各地で突風や豪雨に見舞われた。30日正午時点で全体像は明らかになっていないものの、集送乳の遅れやデントコーンの倒伏など、酪農関係でも被害が報告されている。
台風10号は、ゆっくりした速度が特徴。28日に奄美諸島を北上後、29日朝に鹿児島県に上陸。1日半をかけて九州を横断した。この影響で、大分県では集送乳に遅れが発生。大分県酪農協は「道路の寸断で迂回路を通っての集乳作業を強いられた。それでも30日朝の時点では搾乳などの作業は継続できている」と説明する。
宮崎県経済連は「30日午後1時現在、生乳廃棄の報告はない。一部地域は停電に見舞われたが、自家発電機などで対応できたようだ。ただ、突風でデントコーンの倒伏が発生した。詳しい被害状況を調査中」と話す。
熊本県酪連は「29日に集送乳の遅れが生じたが、30日は不要不急の外出が自粛されたことで交通量が減り、集送乳作業はスムーズ。いずれも廃棄乳は発生していない。今後は牛舎被害の有無などを調査する」としている。