1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、志賀町で震度7を観測した。地震の規模を示すマグニチュードは7.6。その後も能登半島を中心に強い揺れが続き、気象庁は一連の地震活動を「令和6年能登半島地震」と定めた。
北陸4県の指定団体、北陸酪連(新潟市)によると、2日午前10時現在、石川県酪農協(白山市)が県内酪農家の安否確認を含め、情報を収集中だが、能登半島では「かなりの被害が出ていると推測される状況」にある。少なくとも半島先端の珠洲市と能登町には昨夕から、大津波警報の発令や相次ぐ余震、道路の損壊・不通などで、ミルクローリーが集乳に向かえない状況が続いている。両市町には合わせて10戸近い酪農家がいる。
また、能登半島の付け根部分に当たる河北潟周辺にも酪農家は少なくないが、一部で断水が発生しており、搾乳困難な状況。ホリ乳業直営のホリ牧場(内灘町)もその一つで、「搾乳したら牛が脱水状態になってしまう。どうすればいいのか」と対応に苦慮している。
北陸酪連によると、2日午前10時現在、新潟、富山、福井の3県については、酪農被害は確認されていない。集送乳にも問題はない。石川県の被害状況については引き続き情報収集を進めるが、能登半島の先端には安全面や道路の寸断などで近づくのが困難なため、時間がかかりそうだ。