能登半島地震による通行止めで、4日正午現在、石川県内では半島の先端近くで営農する酪農家12戸で、依然集乳できない事態となっている。ほぼ全戸で停電と断水が続いており、搾乳もままならない。農協などの協力で乳牛への給水などを行っている状況だ。
石川県酪農協によると、能登半島の主要道路は、地震によって陥没や隆起、土砂崩れなどが発生しており、重量4㌧以上の車両が通行できない状態。このため穴水町以北にはミルクローリーがたどり着けない事態となっている。通行止めのエリアで営農している計12戸(能登町6戸、珠洲市4戸、穴水町2戸)の酪農家の生乳は2~4日にかけて集乳作業が行えず、廃棄を強いられている。
現地では1日の地震発生以降、全戸で断水が続いており、地元の単協の協力で大型のポリタンクに水を溜めて、乳牛に給水を行うなど懸命の対応を続けている。
石川県酪農協は「能登半島の被災地域では、牛舎の倒壊が1戸、半壊が2戸、搾乳施設が潰れたり、飼料タンクが倒れたとの報告もある。能登町など一部を除き、ほぼ全戸で停電も復旧しておらず、搾乳もままならない状況だ」と厳しい表情だ。