世界最大の酪農・畜産機械展「ユーロティア2024(EuroTier 2024)」が11月12~15日の4日間、ドイツ・ハノーファーの国際見本市で開かれる。日本を含む世界55ヵ国から2100の企業・団体が出展し、最新の酪農機械や最先端技術を披露する。世界の名だたるトラクターや作業機、バイオガスプラントも多数展示される。

 主催はDLG(ドイツ農業協会)。ユーロティアは1993年からほぼ2年ごとに開かれており、今回で16回目を数える。会期中、酪農家をはじめ、世界各国から10万人を超す来場者が見込まれている。

  今回のテーマは「私たちは畜産を革新する(We innovate animal farming)」。世界の酪農・畜産業界が、気候変動や温室効果ガス(GHG)削減、環境規制の高まり、アニマルウェルフェア(動物福祉)、人手不足などの課題に直面する中、メーカー各社がその解決に向け、最新のデジタル技術を駆使したロボットやスマート機器、飼養管理・給餌技術、飼料原料などを展示・紹介する。

 酪農関連のスペシャルプログラムとしては、優良な種雄牛・雌牛を展示する「トップティアトレフ」や、エサ寄せロボットのデモ展示会「バーンロボットイベント」などが企画されている。

 ユーロティアでは毎回、「イノベーションアワード」として革新的な製品・技術の表彰も行っている。今回は展示会開催に先立ち、今月24日にゴールドメダル4件、シルバーメダル21件を選定した(応募総数214件)。

 ゴールドメダルのうち、酪農関連は①カウ・ウェルフェア社(デンマーク)の「フレックスエアストール(Flex Air Stall)」②フェルスター・テクニック社(ドイツ)の「カーフGPT(CalfGPT)」―の2件。前者は乳牛1頭1頭の横臥エリアに新鮮な空気を直接供給する暑熱対策システム、後者は米オープンAI社の最先端AI(人工知能)を活用した子牛の管理システムだ。前者は、特に動物福祉への貢献度が高い製品・技術を表彰する「アニマルウェルフェアアワード」にも輝いた。

 ユーロティアの詳細や入場チケットは、専用ホームページまたはDLG日本サービス窓口(合同会社アグサプライの上村孝和氏、expo@hdp-farm.com)まで。(酪農乳業速報はユーロティアに記者を派遣し、現地の様子をレポートする予定です)



Flex Air Stall



CalfGPT